日本ではいつ頃から、どんな理由で卒業式に袴を着るようになったの?

卒業式の季節になると、大学や専門学校の前で華やかな袴姿を見かけます。

最近では小学校の卒業式でも袴を選ぶ方が増えてきました。

 

でも、ふと考えてみると、

「どうして卒業式に袴を着るんだろう?」

と思ったことはありませんか?

実は、現在の卒業袴のルーツをたどっていくと、明治時代の女学生へ行き着きます。

 

袴姿が女学生に広がったのは明治時代

女性が学校で学ぶ機会が増えていった明治時代。

当時の女性は基本的に着物姿でしたが、着物の裾を長くしたまま通学したり、学校の中で動いたりするのは不便でした。

そこで女学生の服装として広まっていったのが、着物の上から袴を合わせるスタイルです。

共立女子大学の研究では、明治時代の女学生が一般的に袴を着用するようになったのは、明治30年(1897年)前後とされています。

 

今から130年ほど前のことです。

当時の女袴は、現在の卒業式で見かける袴にもつながる、スカートのような形をしたものでした。

 

なぜ女学生は袴を着たの?

理由の一つは「動きやすさ」です。

着物だけで動くよりも、袴を合わせることで裾を気にせず歩きやすくなります。

学校へ通い、授業を受ける女性が増えていった時代に、袴は新しい生活に合った服装でもあったのです。

そしてもう一つ興味深いのが、袴姿そのものが「新しい時代を生きる女性」の象徴になっていったことです。

 

明治中期には、

束髪
矢絣の着物
海老茶色の袴

という姿が、女学生らしいスタイルとして知られるようになります。

 

世界的なオペラ歌手となった三浦環が、女学生時代に袴姿で自転車に乗る姿も「ハイカラ」な女性の象徴として知られました。

当時の女学生にとって袴は、ただ動きやすい服というだけでなく、「学ぶ女性」「新しい時代を生きる女性」を表すファッションでもあったのですね。

 

実は、最初からすんなり受け入れられたわけではありません

今ではすっかり女性の装いとして定着している袴ですが、明治時代の初めから歓迎されていたわけではありません。

当初は、女性が男性用に近い袴を着る姿に対して批判もありました。

 

その後、女性向けにスカート状の「女袴」が考案され、女学校を中心に広がっていったとされています。

つまり、現在私たちが見る卒業袴のスタイルも、当時の女性たちの生活や社会の変化の中で少しずつ形づくられてきたものなのです。

袴姿はいったん学校から姿を消します

ところが、袴がそのまま現在まで女学生の制服として続いたわけではありません。

大正から昭和に入り、洋服が広がっていくと、女学生の制服もセーラー服などの洋装へ変わっていきます。

 

それとともに、日常の学校生活で袴を着る姿は徐々に少なくなっていきました。

ここが少し意外なところです。

現在の「卒業式=袴」という文化は、明治時代から途切れずに続いてきたわけではありません。

一度、袴姿は女学生の日常着から姿を消しているのです。

 

現在の「卒業式の袴」が広がったのは1980年代

では、現在のように大学の卒業式で袴を着るようになったのはいつ頃なのでしょうか。

共立女子大学の研究によると、明治期の女学生の通学服や式服としての袴を源流にしながら、卒業式の袴姿は1980年代前半から再び広がり始めたとされています。

つまり、今の卒業式袴が定番になっていったのは、意外にも比較的新しいことなのです。

 

1970年代から80年代には、明治・大正時代の女学生を思わせる「はいからさん」スタイルへの関心も高まりました。

こうしたレトロな女学生文化への憧れや、和装を特別な日に楽しむ流れなどが重なり、袴は卒業式の晴れ着として再び注目されるようになりました。

 

そして現在では、

大学
短期大学
専門学校

だけでなく、小学校の卒業式でも袴を選ぶ方が見られるようになっています。

 

なぜ卒業式と袴は、こんなに相性がいいのでしょう?

私は、袴が単なる「かわいい衣装」ではないところに理由があると思います。

明治時代の袴姿は、

「学校で学ぶ女性」

の象徴でした。

 

現代の卒業式も、

「学びを終え、新しい道へ進む日」

です。

 

時代は大きく違いますが、

「学ぶ女性の象徴だった袴を、学びを終える日に着る」

と考えると、卒業式に袴が選ばれることには、とても自然なつながりがあります。

 

そして袴には、着物だけとはまた違う凛とした雰囲気があります。

かわいらしくもできる。

落ち着いた雰囲気にもできる。

 

レトロにもできる。

着物と袴の組み合わせによって、自分らしさを出せるのも、今の卒業袴が人気の理由の一つでしょう。

 

函館で卒業袴を選ぶ方へ

あおきレンタル衣裳でも、卒業式に向けて袴を探しに来られる方がいらっしゃいます。

「何色を合わせたらいい?」
「草履とブーツはどっち?」
「自分にはどんな袴が似合う?」

最初から全部決まっている方の方が少ないものです。

袴には100年以上前から続く女学生の歴史がありますが、今は昔の形をそのまま再現する必要はありません。

 

好きな着物に好きな袴を合わせて、自分らしい卒業式の装いを楽しめます。

函館で卒業式の袴レンタルをお考えの方は、写真だけで決めず、ぜひ実物を見て試着してみてください。

卒業式という一日のために選ぶ袴ですが、何年後かに写真を見返したとき、

「この袴を選んで良かったな」

と思える一着を、一緒に探してみませんか。

 

あおきレンタル衣裳
北海道函館市亀田本町65-27
JR五稜郭駅から徒歩30秒